たと思う?
モモ なあに?
須永 こうして生れて来て、よかったと思うの?
モモ そんな事、あたし考えた事ないわ。
須永 今、じゃ、考えてくんないかな。
モモ そうね。……うん、生れて来てよかったわ。須永さんは?
須永 そうさな。……(昇って来る月を見ている)うん、僕も生まれて来て、よかった。
モモ フフ。……ほら、お月さん、こんなに昇って来た。
須永 だって、見えはしないんだろう?
モモ 見えはしないけど、ほら、胸んとこが、こんなに明るくなるから。
須永 ……(そのヌーッと昇って来た月に向って、ピストルの残っている二発の弾をダンダンと無造作に射つ)
モモ あら、どうして? びっくりするじゃないの。
須永 ……(微笑して、手の中のピストルを見てから、それを空へ向ってビュッと投げる。それがズッと下へ飛んで行き、気が遠くなるような間を置いて、カチンと地面に落ちて鳴った音がする)
モモ 何を投げたの? ピストル?
須永 生きているのが、なんかウソのような気がすると僕言ったろう? ここに、こうしているのは、なんか嘘で、ホントの自分は別の所で生きているような気がして、しかたがない。これは夢で、夢で
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