ついたぞおーう! 日田から筏がつきやんしたよーお! 山形屋の衆よーう!
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おっ! と元気の良い少年の声がそれを受けて、
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五郎 筏がついたあ!(バタバタと立ちあがって二階のはしごをトントントンとおりて来て、店の間へ向って叫ぶ)
五郎 日田からの筏のついたばーい! おばしゃん、番頭さん! 仲さんの筏が今ついた!
お銀 おお、そうかい! そら早かったなあ!
番頭一 おお!(と立って表へ)
番頭二 ちょうどよかった! 松っあん、金どん、サブ!
松男┐(人夫)おい来た! ほいよ! おっと! (と
金一├手かぎの音をガタガタさせながら、表へ走り出る)
三吉┘
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表は道路をへだてて、すぐに大川端で、それがちょうど上げ汐の満潮で、鼻の先に筏は横づけになっている。
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お銀 (水面にひびきわたる声で)ようよ! 今度も仕切り人は仲さんじゃったかよう! 思ったよりやはやかったなあ。まあまあ、あがって一杯のんで一休みしんさい。
仲蔵 (筏の上から)お神さま、しばらくでがんした! 又お世話になりやす。この二人は、こ
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