「働くと言つたつて、口が無い」
「なに、その氣になりや、いくらでも有るぜ。どんな仕事でもよければだよ」
そして、自分のイモノ工場なら、庶務の方に頼んでやろうと言うのです。ただし、仕事の選り好みはできない。「と言つても、君にやイモノの仕事は、出來んだろうから、事務の方か設計だとか、どうせ、月給は安いぞ」と言つてニヤニヤしているのです。三千そこそこで食つて行くのがヤッとらしい。バカバカしいような氣がしました。僕の腹は決らず、又來ると言つて久保の室を出ました。
それから四五日間、僕は迷いました。迷うと言つても、ほかにどうしようも無し、時計を賣つたりして、その間も、毎日のようにその頃泊つていた上野のテント旅館を出ては、タミ子の所に通つていたのです。僕が行かないとタミ子はなんにも食わないでいるのです。それに、そんなふうになつた彼女に、すこしばかり金をやつて好き勝手にオモチャにする男たちも居るらしいのです。イヤでも僕は毎日行かないわけに行きません。
僕が行くとタミ子は喜びます。そして時によると、なさけ無い事に、僕に向つてその衰弱して痩せたカラダを開いて見せたり、ワイセツな恰好をすることが
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