う」
 それで、連れ立つて元のアパートへ行く。途中、「あれんぱつちの子供を集めて託兒所なんて言うと、コッケイに見えるでしようね?」と言う。自分が何とも答え得ないでいると、ハッハハ! と男のように笑い「でも、はじめたばかりで、しかたが無いし、それにあれだけでも親達は助かつているのよ。このへんの勞働者なんか、ちかごろ暮しがとても苦しくなつて來ていて、子供なんか見てやつてる暇は無いんですからね」と言う。何か恥かしい事をしている所を、出しぬけに覗かれて、ムッと怒り、同時に辯解しないではおられない氣持になつているようだ。
 アパートではお茶を入れてくれる。「一時間だけ時間があるから、知つている事はお答えしましよう。ただ、私はMさんとそれほど親しくなかつたし、お目にかかつていたのも、戰爭前の赤色救援會の活動の中で、金を寄附してもらう用事などが主で、だから、もう六七年も前のことで深い事は知らないのよ」
 自分の現住所を誰に聞いたと問うので立川さんの名を言つたが、
「立川さん、お元氣?」と言つたきりで、何か考えていたが、それ以上追求せず。それで、しかた無く自分はMさんの事を二三たずね、ソロソロ歸ろうと
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