知りましたが、これは、もと映畫俳優をしていて現在は事務の方をやつている人だそうでした)が「ああ、立川景子なら、たしか某々のハダカ・レヴュに出ていると誰かが言つてたなあ」と言葉をはさんだのです。
 それでその人に聞き、僕はその某々劇場に行き、それから又、別の劇場へ行き、その二つともムダで、次ぎの丸々劇場で、やつと立川さんに會うことができました。こんな某々だとか丸々などと書くのは變ですが、立川さんは、
「私がこんな所で働いているなんて人に言わないでね。とくに三好さんと言うのには、一二度會つたこともあるし、今の私の居所なぞ、絶對に言つちやいけない」と言うのです。名も全然變えて働いているのですし、しかもスタアなどでは無いのですから、そんな心配はする必要は無いのですが、現在の自分を立川景子として知られるのが、しんからイヤらしい――と言うよりも怖いらしいのです。
 立川さんに僕が會つたのは、その、もと映畫館だつたのをチョット改造してレヴュ小屋にした某々の、舞臺の横の地下室の樂屋の奧です。地下室と書いても樂屋と書いても、實はピッタリしないような、極端にきたない、狹い穴倉みたいな所です。幅も、高さも一
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