よいかわからないようなものだつた。
手紙は半月または一月位の間を置いて屆いた。時によつて二カ月ぐらい來ないこともある。かと思うと、十日位の間に二三通つづけて來ることがある。皆かなり長い。約十カ月位の間に十五六通の手紙をもらつた。
その中の十二三通を次ぎに掲げる。枚數にして百五十枚、或いはもつとになるかもしれぬ。
御覽の通り、手紙と言うよりも手記に近い。貴島自體が往々にして私に向つて書いている事を忘れるのではないかと思われる節がある。或いは自分の心おぼえとして書いたものを、捨てる代りに送りつけたとしか思えないものもある。それにスタイルに統一がなく、書き方は亂暴で氣まぐれである。
しかし、私は、あえて筆を加えないままにして置く。
27[#「27」は縦中横]
三好さん――
いつかは、荻窪で御迷惑をおかけしました。杉田と私とが逃げ出した後で、つまらない目に會われはなさらなかつたかと、ずいぶん心配しました。でもその後、知らせてくれる者があつて、御無事だつた事を知り、いくらかホッとしました。
しかし、どちらにしろ、僕のことでは、はじめから御迷惑ばかりかけ、おわび
前へ
次へ
全388ページ中216ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング