そいじやあ、まだ横濱?」
「う?……どうして君それを――?」
「知つているのよ。國友という組の子分の人が、こないだからホールへやつて來ちやあ、貴島さんの事をしつこく聞くもの。どうしたの一體、貴島さん? 何か追いかけられているんじやない? 用心した方がいいわ。そう言つといてよ。振られるには振られたけど、こいでやつぱし私はまだあの人を好きなんだわねえ。アアアア」染子は大げさに泣く眞似をして見せてから「……しかし、だから、いつそあんな奴は半殺しの目にあえばいいと思うのよ。だつてそうじやありませんか? 貴島は色魔よ。あんまりひどい! 人をさんざん引き寄せて、ひつぱり※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]しといて、勝手にいじくり※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]した末にうんだともつぶれたともハッキリしないで、うつちやつちまうんだもの。私にしてみれば、どう考えていいのかわからないじやあないの! いくらダンサーだつて、あんた、ただのお客と踊る時と、戀した男と踊る時は、違うのよ。同じステップを踏むんだつて、身體の持つてき方が違うのよ。腰を入れる。わかる? 腰を入れるのよ。ウフフ、立つて踊つ
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