虎雄が? あん野郎め! 自由党が聞いて呆れらよ。よけいなヤジ馬のしっぽに乗りやがって百姓はタンボをやってればそれでええのじゃ! 近頃の若えもんの了見てえもんは俺にゃわからねえて! 正造にしても兼八にしても同じだ! のう仙太公!
仙太 うむ。……だが、それもよかろうて。何でも自分の目で見てみたらええのだ。
段六 あんだとう? そうだろうが、のう? どうせが御一新の時に立廻り方がまずくって甘い汁の吸えなかった連中が、甘い汁を吸ってる連中をそねんでいるのだ。うん。
お妙 (段六を黙らせようと)段六の伯父さ。
段六 ほだろうが、嬢さま? 現にだ、あんたの親父さまだ。人間、しただけのことがマットウに返って来るもんならば、生きてござればいま頃は藩知事さまだあ。それが、ロクな墓もねえ有様だ。そでねえか、嬢さま?
妙 (赤くなって)伯父さ、その嬢さまだけは、やめておくれ。
仙太 ……(独言のように)何のことでも、上に立ってワアワア言ってやる人間は当てにゃならねえものよ。多勢の中にゃ慾得離れてやる立派な人も一人や二人はあるかも知れねえが、そんな人でさえも頭ん中の理屈だけでことをやっているもんだから、ドダ
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