にかく、それまで、奴等にあばれ出されてはいかん! 足尾か加波山へ追い込むことになっているから、山へ追い込めば此方のものだ。
巡査 ばく、ばく、爆裂弾を持っとるというのは本当でありますか?
刑事 馬鹿な! 持っていても高が知れている! しっかりしたまえ! そっちへ行くんだ! (振返って見て)おお、来やあがったようだ。さ! (花道へ向って走り込んで行く。あわてた巡査、佩剣を抱えて道角でグルグル二、三回廻った末、左手への道を走って消える。――急に静かになる。水田の泥掻の水音。……間)
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(右手から、前後を見廻しながら出て来る自由党の壮士三人。一人は着流し。一人は絣単衣に袴、一人は詰襟の洋服を着ている。三人ともつとめて平静を装うてはいるが、ひどい昂奮と緊張が明らかに見られる。洋服の男は仕込杖らしいステッキを突き、着流しの男は、抜身のままの脇差しを、ダラリと右手に下げている。無言。進んで来て、水田の中の稲が動いたのにギョッとして立どまる。ジッと水田を見詰めている)
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洋服 ……(つとめて押殺した低い声で)そこにいるのは誰だ?
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