え?
水木 知らぬ。……誰から聞いた?
仙太 なあに、人足の釜次郎が昨日味噌を買いに峠を越えて加瀬ヵ越し近くまで行った戻りに大垣からやって来た馬子から聞いたっていいますがね。また聞きのまた聞きだからどうかと思って。
水木 そうだ、お前の手の、寄場の者等十人余りは何処にいるのか? 何をしている?
仙太 何か用かね?
水木 ウム、急ぐ用がある。
仙太 なんだ、そんなことか。それならば、わざわざこんなところへ呼ばなくともいいに。いえそれがね、あの連中何処へ行ったんだか、この二、三日まるきり見えねえ。実は私も少し気になることがあるんで捜しているんだが……人に聞いてもわからねえし。東浦寄りの溜りにもいねえそうだ。
水木 気になる? 気になるとは何だ?
仙太 なに、それは此方のこと。
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(間。――水木は矢張刀身を拭うような手つきをしながら、気づかれぬように横身のままジリジリ仙太郎の方へ寄って行っている)
[#ここで字下げ終わり]
水木 ……つかぬことをいうようだが、仙太郎、これからどうなると思う? 全軍はどうしたらよいと思う?
仙太 私等なんぞに、そんな、わかりゃしねえ。無理
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