、どうなることかと思った……。どっちせ、ここは早く立退かなきゃ……屋敷から人でもくるとまた面倒だよ。
仙太 (まだ棒のように立ったまま)ウム……。
お蔦 どうかしたのかえ、ボンヤリしてさ? ……こんなこと、もう、まっぴら。……どうしたのさ、仙さん?
仙太 (頭をブルブルと振って)その辺に水でもねえか? のどが乾いてならねえ。
お蔦 困ったねえ、水といったって……。(見廻して吉村の飲んでいた酒の入っている徳利を見て、拾う)妙だねえ、あの騒ぎに、ひっくり返りもしないでいる。……ああ、まだ少しあるようだ。あいよ。
仙太 (徳利の口からじかにゴクゴク音を立てて飲む)ム、ム。
お蔦 ……さ、行きましょうよ。
仙太 ……親方あ、うまく逃げおうせてくれたかな。……少し斬ったか。
お蔦 甚伍左とかの爺さん? だってお前、お前斬る積りじゃなかったのかえ?
仙太 ふん……。(徳利をポンと捨てる)
お蔦 第一あの爺さん、お前、前々から知っている人かえ?
仙太 知っている段じゃねえや。
お蔦 それをまた何だって斬るの殺すのと……?
仙太 それをいうな。(坐る)
お蔦 どうしたんだよう! いうまい、聞いて見ても
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