イセツだ! ワイセツだよ! それこそワイセツだ!
あれとこれと、又、それと、なんと自然にスラスラと使いわけて行くだろう
二重生活といいたいが、私の知らない所では三重四重になっているかもわからない
そういえば、大学の講師と文筆と講演などの稼ぎだけにしては
お前の生活は豊かすぎる
どこかに金をつかむツルを持っているかも知れないし、
闇取引のブローカアでもしているかも知れない
名義を変えた財産を持っているかもわからない。
はてしなく、私の目まいは、更にはげしくなる
私は立っていられない!(残っている方のオダリスクをも取り去り、ヨロヨロと、酔ったあげくのジルバのようなステップで、ステージの一番前へ乗り出して来る)
なんでもよいから、早くやってしまえ! 早くやってしまえ!
お母さんの短剣がうずいているんだ!
ホントに私の頭が狂ったかと思ったのは
それから間もなくだった
川岸のアパートにお前をつけて行って、天井に入ってのぞくと
その晩は女が気が向かないか、金が少いか、もしかするとホントにメンスだったか
お前が犬のように哀願しても、身体を開こうとはしないので
お前は遂にメソメソ泣き出して
果ては
前へ
次へ
全91ページ中79ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング