ュ一度信州に戻ってから出直そうという気になってね、ガックリして、駅の行列の尻についてタタキの上に坐っていたそうだ。もう夜になっていたそうでね……

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空襲によくあっていた頃の、上野駅の夜の構内。人の歩く気配や、離れたところの雑音などがしているが、すべてのものが疲れはて、沈黙しがちで、遠くでアウンスされる声も沈んで明瞭さを欠く。「ガアガアガア……次の信越線列車は九時三十分に発車の予定でございますが、乗車券をお持ちの方は改札口左手の方に行列……(不明瞭)……乗車券をお買求めの方は切符売場に並んで下さあい……
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少年 (といっても浮浪児らしく、ザラザラした太い声で)おい、おじさん、なんか食物があったらくんなよ、何でもいいからよ、豆でも何でもいいからよ、少しくんなよ、ねおじさん。
金吾 (疲れはてている)でも俺も、ねえから……
少年 そんなこと言わねえで、なんでもいいからよ、ちょっぴりでいいからよ。
金吾 (ポケットから音をさせて、少し豆を出して渡す)大豆の炒ったのが、ホンの少しきやねえ。
少年 ありがとう、おじさん、ありがとう、なむあみだぶつ。(
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