ヨ子 ひどい音ねえ!
お仙 春子おばさん、恐がってるずら?
金太 なあに、崖の方なら聞こえやしねえや。
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急速にすうっとマイクが飛んで、途中でトラクターの音が一たん消えて、それから風に乗って、また反響がついて激しくなったトラクターの音を伴なって、マイクは崖っぷちの春子と金吾のもとへ寄る。
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春子[#「春子」は底本では「敏子」] あっ! 戦争がやってくる! 金吾さん、どうしよう戦争がやってくるわ!(飛び上って叫ぶ)
金吾 (これも立上って、春子を抱きとめながら)春さん大丈夫だ。あれはトラクターでね、そんな恐がらなくても大丈夫でやすから――
春子 金吾さん、恐い、逃げましょう、戦争がやってくる!(金吾の腕の中で、身をもがく)
金吾 大丈夫でがす、あれはトラクターだ。そんなに恐がらなくっても、ここでそんなに暴れると、崖から落ちるだから、ここへ落ちれば粉微塵になって死んでしまう。
春子 え?(死ぬといわれて、キョロンとして)死ぬ?(崖の下を覗いてみる)金吾さん、あのね、私もう死んだ方がいい。私死ぬ。恐いから、あんなに戦争がやってくるから――
金
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