@おっ!
壮六 なんだ?(再び石が飛んで来て戸板に当る)……どうしたつうんだ?(立って土間におりる。戸をガラリと開け)何をさらすだっ!(庭端にとびだして闇に向って叫ぶ)おーい、村の衆、つまらねえ事あ、よしてくれえ! 話をつけには明日にでも俺が行くだから、そんな事あ、よせいっ!
闇の中の声 ……(いっときシーン、としていてから)ヘッヘヘヘ、柳沢金吾の助平ぢぢい! 色きちげえめ……
闇の中のもう一つの声 大工の喜助を出せえっ! 今日はよくも村のもんをなぐつたなあ! 仕返しをしてやるから、喜助を出せえっ!
金吾 ……そんな、そりゃ、皆の衆!(と思わず庭場へとび出して、林へ向って叫ぶ)俺が、おめえたちに、どんな悪い事をしただ? 話があれば聞くだから、そんな……この開墾の事だって、ここを切り開いてしまえば、水の筋が変ってしまって、この下の水田は駄目になるぞっ! 黒田様の土地が欲しけりゃ、俺あ村へ寄附してもええだ。なんで俺が国賊だ?
闇の中の声 へっへへ、色きちげえめっ!(バラバラと石がふってくる)
金吾 あっ、っ!(石の一つが額口にあたった)
壮六 あ、いけねえ! 切れたな? 金吾、お前ひっこめ
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