コが聞えてくる。(流行歌)
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壮六 (歩きながら、家の前に立って、向うを眺めているお豊を認めて)やあ、お豊さん、こんちは。
お豊 (ふり返って)ああ壮六さん、いつこっちへ上ってきやした?
壮六 いや、今朝やって来やしてね……(遠くを見て)何の騒ぎかな?
お豊 出征する人が、今駅をたったんでね、この町からも森の市造さんだとか、落窪からも一人出たんだと。
壮六 そうかねえ。いよいよどうも戦争もだんだんひろがってきたようだなし。
お豊 まあ、おかけなして。(家の中へ)お仙よ! お仙、壮六のおじさん見えただから、お茶を出すだよ。
お仙 (十八九の娘)あい。
壮六 いやいや、今日はおら急ぐんで、そうしちゃおれねえ。
お仙 壮六のおじさん、おいでなんし。
壮六 やあお仙ちゃん、すっかりきれいになっただなあ。
お仙 いやだ、おじさんたら! ふふふ、(奥へ引込む)
お豊 あの調子でね、なりばかり大きくなっても。
壮六 はは、ところで、喜助頭梁は、今日は?
お豊 ああ、あの人は今日は仕事の話で落窪まで行ってね、そいで、ついでに金吾さんとこに寄るつうんで、例のもめてるつう開墾の話
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