\六歳)
音楽
[#ここで字下げ終わり]
鶴 ほんとに敦子さま、お宅の方にうかがいますと、奥様は御病気で入院なすっているとおっしゃるじゃございませんか、びっくりいたしましてねえ。
敦子 (ベッドをきしませて)いえ、私の病気なんぞ、ホントはなんでもないの、実は、満洲でああして戦争みたいになっちまって、主人は商売のことで先日から朝鮮の方に出かけて、その留守にツイ私もお店の方に加勢に行ったりして少し無理をしたのね。ちょっと風邪をこじらしたような加減で、いっそ入院しちゃって身体を休めちまおうと思ってね、もう熱も大分引いたし、大したことはないのよ。でもホントによく訪ねて来て下すったわねえ、十何年になるかしら? そいで春子さんにはお逢いになって? 私はかけちがって、もうズーッと逢ってないけど、たしか麻布の横田さんの方に同居しているとかって?
鶴 それがもう。そこにはいらっしゃいませんので。――実は私が上京しましたというのが、先日春子さまからおはがきをいただきまして、敏子の身の上のことについて困ったことが起きているといったような事が書いてございまして――敏子さまは、そういってはなんでございますが
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