ッて卑屈な調子で)だけどねえ、おかみ、私は敏子の実の父親だ。それがなん度も出むいて来て、こうして戸籍とう本までそろえてなにしているんだから、ここらで話をきめてもらってもよいと思うがね。
おかみ ええ、ええ、それを疑うわけじゃありませんよ。けどね、二三日前、あの子のおっ母さんが見えて下すったそうで。私はお目にかかりませんでしたけどね、なんでも敏ちゃんを出すのを望んでいらっしゃらないような口ぶりだったそうで。そこへあなたが、こうして丸抱えの話などを、おせきになっても、私の方でもハイそうですかでお受けはできないんですよ。そりゃ敏ちゃんて子は、おあずかりして以来見ていますと三味線や踊りも筋が良いようだし、気立てはあの通り、あたしたちも、出すんだったら内からと思って楽しみにして――今もああやってお師匠さんが見えて何かやっているようですけどね。ですから、いずれにしろ話がきまればお金の方はいつでも準備してございますけど、今言った通り、お内の方《ほう》でいろいろになっているようでは今が今と言われても――
敏行 そりゃね、可愛いい娘を芸者に出そうというんじゃから、いろいろの訳があるのは当然で――私も事業
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