驍ゥな。春子が私のなにをしてるか、当人は言わなかったかね? この間からヒョイと居なくなったんで、えらい探して、へへへ、やっぱしここに来ていた。すまんが、君あいっ時見ないふりをしててくれ給え。
金吾 ……(石になって立っている)
敏子 (火がついたように叫びながら、別荘の中に駈け込む)お母あちゃま、お母あちゃま、こわいよう! お母ちゃま!
横田 はははは(足音をさせて別荘のドアの方へ)
春子 (その奥から出てきながら)え、どうしたの、敏ちゃん――? あっ!(呆然と横田と相対して立つ)
横田 はっははは、やっぱりここだったなあ。さあ春子、すぐ東京に帰るんだ。
春子 あの、そんな、そんなことおっしゃっても、もう私は――
横田 まあいい、まあいい。つまらないことを考えると、またろくなことはないぜ。まあまあ、こんな所で話もできない、中へ入ろう、おい(春子の胸をつくように、別荘の中に入って行き、ドアをバタンと閉じる)
金吾 あ、春子さま! ……(二、三歩思わず歩き出すが、立停って、そのドアの方をじっと見つめている。間……その閉ったドアの奥から、火がつくように敏子が泣き出した声が聞える。それをききな
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