アで字下げ終わり]

お豊 なんか病気だあねえかと思うが――お医者に見せねえでいいかな?(女にフトンをきせる)
喜助 そうよなあ。
お豊 ああそうそう、左官屋は明日はきっとこっちに廻ってくれると、
喜助 そうか、そらよかった、……そうさな、俺あ、じゃ、古池先生呼んで来べえ。何がどうしただか、万事はそれからの事だ。(立つ)
お豊 そいじゃ、そうしてくんな。
喜助 (土間におりながら)とんかく、しかし晩めしの仕度早くしろい。みんな腹あ空かして、うるさく言ってら。(足音が表へ出て行く)
お豊 坊主よこしな。(長男の背から幼児を抱き取る「[#「「」は底本では「(」]ウマウマ!」それをあやしながら、立って)お仙よ、どうしただ? どれどれ。
喜一、その子を見ててやるだよ。
喜一 うん。
少女 (弱い声で)お母あちゃま! お母ちゃま!

[#ここから3字下げ]
短い音楽(朝の小鳥の声などが混って)
[#ここで字下げ終わり]

お豊 (金吾に向って)……そんなわけでね金吾さん古池先生が間もなく来てくれてね、しんさつしてくれたっけがこれは、格別どこも病気だあ無え、ただえらく疲れて、総体にからだが弱りきっ
前へ 次へ
全309ページ中143ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング