tッツリと断って来たが、今日だけは見のがしてくれ。うぬがためにブツん、じゃ無えんだ。金吾がこうして青くなってるのを見すごしておけるもんけえ。
千と二千とまとまった金だ。これ以外に拵える手は無えんだ。
お豊 だって警察があぶないよ!
喜助 なあに後になってつかまったって、そいつは覚悟だ。けっ! 行って来らあ。金吾、内に帰って当にしねえで待っていてくんな!(そのまま、トットッと小走りに立去って行く)
金吾 そんな、喜助さん! おーい、喜助さあん! 困ったなあ、お豊さん!
お豊 ふっふ!(これは、もう諦らめて笑っている)いいんですよ金吾さん。こうと思ったら、人がとめたってとまる人じゃありませんさ。
金吾 すまねえなあ、あんたらにまで、こんな心配かけて。だけんど、喜助さんつう人は、良い人だなあ!
お豊 ふ! 良いんだか悪いんだか、ああいう人だ。
金吾 すまんなあ。実あ川合の壮六が居てくれりゃ、多少は相談にも乗ってくれていようが、ちょうど半月前から試験場の用事で青森の方へ出張してて――とんだ、どうも、あんたらに苦労をかけやす。
お豊 なあに、そんな事あ、相みたがいだ。だけんど考えて見りゃ不思議な
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