燒ハ白い所が無いもんで、敏行すぐに怠屈するらしいのね。
敦子 そんな、そんな馬鹿な、あなたそいじゃ、まるで――
木戸 (それまで黙々として聞いていたのが、敦子をおさえて)まあまあ敦子、そんな、お前のように、そう一気にまくし立てても、しかたがないじゃないか。いや春子さん、私なぞにはどうも人さまの家庭内の事や、御主人の、その女出入のことなぞ、深いことはわかりませんけどね、ただ敦がしばらく前から、大分心配していましてね、御主人の山の事業と私の貿易とは性質がちがいますから、くわしい事はわからないけど、男が一つの事業にのりかかって夢中になって、そのために家屋敷まで叩き売ると言った気持は、わかるんです。問題は御主人のセメント会社が、先行き望みの持てるようなチャンとしたものかどうかですね。それさえしっかりしていれば今一時苦しいのは、こりゃ仕方のない事で。しかしどうも、その会社自体が少しおかしいと言う気がするんです。たしかその山は秩父の方でしたね。
春子 はあ。なんでも寄居から三峰の方へ入って行った所だそうで。
木戸 そいで、御主人に附きまとっている山師みたいな人と言うのは、何と言う――?
春子 私の
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