もあった。……それが、どうだい?……現に先程の浦上との話は君も聞いていたろう? 半年近くウンウン言って書いた作品、うまくは無い、うまくは無いが、とにかくこれで一応出来てると思って出した脚本が、あのザマだ。いいかね?……なにさ、浦上達の劇団が特にひどい劇団で、あすこだけが劇作家に対してこんな事をするんでは無いんだ。どこの劇団でも似たり寄ったりだ。又、特に僕だけが、彼奴は今落ち目だってんで、こんなアシライを受けると言うわけでも無い。たいがいの劇作家は、先ず似たり寄ったりの目に始終逢っているんだと思う。……そいで、じゃ俺はもう戯曲を書くのは、よすかと思うと、よさん。よせないんだ。……あんな目に始終逢い、醜態の限りをさらしても、そいでも、なぜよせんのか? わかるかね? こいつは、業《ごう》と言うやつだよ。……業が深くって、書いて書き抜いて、どこまで行っても、戯曲の中に自分をぶちまけて行かなければ、苦しくて苦しくて、どうにもジッとして[#「ジッとして」は底本では「ヂッとして」]居れんからだ。
佐田 ですから、僕も、あなたと同じなんですよ。少くとも、同じようになりたいと僕は思っています。でないと―
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