積んで来ているんでしょうからね。でも、とにかく、五年前に先生のお借りになった金は千円とチョットですよ。忘れもしません。病院の方の、僅かばかりの建て増しの金なんですから、なんしろ、高利の金と言うのは怖いもんですよ。三好さんなども、お気を附けなさいましよ。
三好 ハハ、なに、貸して呉れる先さえあれば、高利もヘッタクレも[#「ヘッタクレも」は底本では「ヘツタクレも」]構やあしない、のどから手が出る位に欲しいけど、先様で相手にしません。でも、物は試しだ、韮山に申し込んで見るかな。
お袖 とんだ事をおっしゃる。淀橋の韮山正直と言やあ、あの島では名代《なだい》だそうですからねえ。彼奴にかかられて生血をしゃぶり[#「しゃぶり」は底本では「しやぶり」]尽された者が、どれ程居るか知れないんですよ。
三好 生血か。……血ぐらいなら、僕にもまだ、いくらか有る。
お袖 それに、憎らしいじゃ[#「憎らしいじゃ」は底本では「憎らしいぢゃ」]ありませんか。あれで、色気だけは隅に置けないんですよ。みずてん芸者の若いのを二人も三人も妾にして、待合いなんぞ出させているそうですよ。それでいて、女と見りゃ、誰彼なしに、直ぐに
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