るつもりである。つもりではあるが、結果として、それが全く混じらないことを保しがたい。読む人は、そのつもりで読んでほしい。とくに、宮本氏自身に向って、最初にこの点の許しを乞うておく。ゆるしてください。
ついでに、なぜキライかの理由を、書いておく。
たとえば、彼女の処女作「貧しき人々の群」が、或る意味で或る程度まで良い小説であることは私にもわかる。わかりながら読んでいる最中でも、読みおわった後でも、私は非常に不快になる。不快の原因はいろいろあるが、その一番の根本はこの作家がこの作品の中で非常に同情し同感し愛そうと努力している――そして遂に全く同情もしなければ同感もしなければ愛しもしていない――と私には思われる――その当の「貧しい人々」の一人として私が生まれ、育ち、生きて来たためであるらしい。
そのような出生と経歴とを、私はいまだかつて一度も、誇りに思ったことも無いし、恥じたことも無い。私にとって、それは、かけがえの無い唯一の、したがって貴重なものであった。とくに自分のそれが他よりも不幸であるなどと思ったことはメッタに無い。しかし、正直、「つらい」と感じたことは度々ある。そして、たとえ
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