は、自然の数ではあるまいか。この人たちは「おれたちの盛大さをソネんで、ケチをつけるんだ」とばかり思うことをしばらくやめ、又、量と党派の力にばかりモノを言わせることをしばらく控えて、自身の手段に、もうすこし忠実になって見せてはどうであろうか。その方が私には、ありがたく思われる。それには、雑誌「世界評論」に続載されたペリガンの数篇の世相ルポルタージュや、雑誌「日本評論」に連載されつつある同誌特派記者による数篇の社会ルポルタージュを読んで、その仕事に対する熱意と、手段に対する忠実さにアヤかるようにしたらよかろう。
 もっとも、こんなふうにすれば、諸氏の「量」は多少落ちるだろう。その代り、いろんな人がホッとするだろう。何事につけ、異様でミットモナイ事があまり永くつづくことを好まぬ人も、まだかなりいるから。
 最初、この人たちの一人々々の傾向やそれぞれの作品についてもっと具体的に細かい事をも語ってみる気でいたが、もう既に指定の紙数を越えた。別の機会にしよう。私こそ、早取写真式に書くことを練習しなくてはいけないようだ。
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「日本製」ニヒリズム


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 こんどは、戦後
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