寄って、寝ころびながら読めるような面白そうな雑誌を一冊買おうと思った時にこの雑誌には、たとえば肉体派作家某大先生作「彼女がうなる時」という小説がのっていて、あの雑誌には、たとえば三好十郎作「わけのわからん頭痛」と言ったふうの作品がのっていたとすれば、五十人中四十九人までが、この雑誌を買います。つまり三好よりも某氏の方が四十九倍だけよく売れるのです。理由は、これだけです。これ以上でもこれ以下でもありません。これは実に冷厳な事実でした。この事実を私は認めます。事実以上でもなく、以下でもなく認めます。
 そんなわけですから、風俗派や肉体派の諸氏はメイカアならびにセイルスマンとして自信を持って可なりです。同時にまた、彼等の商品が売れるのはそういう意味で売れるのであって、別にその内容が人の信用を得ているから売れるというわけではないようだから、彼等がメイカアならびにセイルスマンとしてあまりに自信を持ちすぎるのは当らないし、コッケイでしょう。前記の我が憎々しい友の言葉を借りて言うならば「小豚どもよ、喜べ。なぜならば天下はお前のものだ。しかし小豚どもよ、あまりに喜びすぎるな。なぜならば、お前のものであ
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