この人たちの持っている尺度が、私の眼にさえも既に古く遅れてしまっているように見えることです。たとえば十四、五年前のハリコフ会議の決議の日本的適用の線から一分でも一厘でも前に出た尺度を、この人たちの誰が持っているでしょうか? 私は知りません。また、たとえば、社会主義的ロマンティシズムや、革命的民族主義の文芸的適用と操作について、誰が人をなっとくさせるに足るような熟練を示してくれたでしょうか? これまた私は知りません。各個が取り上げている問題や素材が、戦後の新しいものであるために、その取り上げかたまでが新しいようにチョット見えますが、よく見ると実は、その昔蔵原惟人や中野重治その他の人たちがした事を、もうすこし拙劣に、もうすこし低い段階で復習しているに過ぎないように見えます。その忍耐力に対しては敬意を払わざるを得ませんけれど、タイクツせざるを得ないことも事実であります。
 次ぎに、文芸を見るのに必ずしも左翼的な眼を以ってはしないが、現世紀的に、社会的な進歩的な立場を以ってしようと志している一群の批評家たちがいます。荒正人や平田次三郎や平野謙その他の人たちです。私など、思想的に必ずしもこの人た
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