んど茶番狂言でもやるのと同じ位の条件と準備とでもって上演する劇団があると、たちまち演劇雑誌にシェキスピアやモリエールやゴーゴリやボーマルセをひと呑みにしたような「堂々たる」論文などを書く人間が現われます。イプセンやチェホフの作品を勇壮な劇団と演出者と俳優たちが実質十日位のケイコで上演すると、これまた、たちまちイプセンとチェホフについての「ガイハクなる」論文が諸演劇雑誌をにぎわせます。かと思うと、芝居をはじめてから五年半ばかりになった「俳優」がスタニスラフスキイ的芸術方法を論じてそれを「批判克服」してみたり、一年平均二回ばかり全く無方針にケイレン的にトギレトギレにディレッタント風の悪習慣として十五年間芝居をして来た俳優が、芝居の神様が言うような「演技論」を発表したりします。かと思うと、女を裸にしてひっぱたくのがトリエのエロ芝居がすこしヒットしたり、キチガイやインバイなどの出て来る戯曲が一つ二つ現われると、たちまち、「マジメに」実存主義について論じた文章が流行したり、また、勤労者が働きつつコツコツと戯曲を書いてどこかに発表したりすると、これまた、たちまち「社会主義的リアリズム的創作方法万々
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