また、いきなりそこまで飛びあがらないで、たとえば現代日本の女流作家だけを見わたしてみても、宮本百合子のミゴトに割り切った唯物弁証法的公式や社会主義的リアリズム図式の「布石」にひっかけられて、彼女が前もって作っておいたハメ手にはめこまれて、満足のような不満足のようなヘンテコな気分になるよりも、人生の苦しみと涙の味について宮本などよりも百倍もよく知っている――したがって宮本などよりホントは百倍もえらいところの平林たい子や林芙美子や佐多稲子などの、宮本のそれほど堂々とはしていないがモット真実ではあるところの、宮本のそれほどデスポティックな圧力は持たないけれどモット美しいところの作品や論文を読むことを私が尊び、それらの作品や論文を通して、たかぶらない自然な気持で、どうすれば人間はもっと幸福に社会はもっと明るくなり得るだろうかを考えさせられることを選ぶのも、やむを得ないのである。そして、ここには、長くなりすぎるから、その理由を書くことをはぶくけれども、ほかの人々も私と同じようになった方がよい。

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 以上のようなリクツめいた事を全部抜きにして、ただ無責任に抱く興味という点
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