このところだけを抜かして書いているのではあるまいか。そして、もし、この点で、現在こういう時代になって来たための、作者の意識的無意識的なデフォルメーションが加えられているとするならば、私は賛成できないし、これまた作者の「記録者」としての弱さ、「小説家」としての甘さの証拠だと思う。
 以上の私の考察は、直接にはこの作品についてのさしあたりの感想であるが、同時に、近来盛んに試みられている記録物やルポルタージュ作品一般に或る程度まで共通して考えられることだろうと思いつつ、これを書いた。



底本:「叢書名著の復興1 恐怖の季節」ぺりかん社
   1966(昭和41)年12月1日第1刷発行
底本の親本:「恐怖の季節 現代日本文学への考察」作品社
   1950(昭和25)年3月25日発行
初出:大インテリ作家「群像」
   1949(昭和24)年2月号
   小説製造業者諸氏「群像」
   1949(昭和24)年2月号
   『日本製』ニヒリズム「群像」
   1949(昭和24)年5月号
   ブルジョア気質の左翼作家「群像」
   1949(昭和24)年6月号
   落伍者の弁「群像」
   1949(昭和24)年7月号
   或る対話「群像」
   1949(昭和24)年8月号
   ジャナリストへの手紙「群像」
   1949(昭和24)年9月号
   恐ろしい陥没「作品」
   1949(昭和24)年10月号
   小豚派作家論「文藝春秋」
   1950(昭和25)年1月号
   ぼろ市の散歩者「中央公論」
   1950(昭和25)年1〜2月号
※「ロシア」「ロシヤ」、「スロオガン」「スロウガン」、「マキアヴェリ」「マキァヴェリ」、「ハンデキャップ」「ハンディキャップ」、「むずかしい」「むづかしい」、「ずつ」「づつ」、「サボって」「サボッて」などの混在は、底本通りです。
入力:伊藤時也
校正:伊藤時也・及川 雅
2008年12月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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