なものであって格別の意味をなす発言だとは思われない。なおわれわれが絵画ことにヨーロッパの絵画を論ずる場合には常にそうであるが、今ピカソの場合も私が見たピカソのオリジナルはごく少数であってほとんどその複製であったということは申しそえておかねばならぬだろう。複製を見ただけでまるでオリジナルを見たと同じように思う思い方は考えようではコッケイであるが、そしてできるならばオリジナルを見るにこしたことは言うまでもないが、しかしこのことはある程度まで止むを得ないことであって、今となってはある程度まで許されることだと私は考えている。
[#地付き](一九五七年六月中旬)
底本:「炎の人――ゴッホ小伝――」而立書房
1989(平成元)年10月31日第1刷発行
入力:門田裕志
校正:伊藤時也
2009年3月24日作成
青空文庫作成ファイル:
このファイルは、インターネットの図書館、青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)で作られました。入力、校正、制作にあたったのは、ボランティアの皆さんです。
前へ 終わり
全12ページ中12ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
三好 十郎 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング