Rを撫でたりさすったりしている。こいつは、歯をむいて、噛みつこうとしている。ふん。……セザンヌが、こないだ、奴さんの自画像を見て「この人は気ちがいの絵を描いてる」と言ったっけか、フフ、さすがに、うがったことを言う。もっとも、そう言う夫子自身、ちゃんともう気がちがっているがね、へへ!

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そこへ、しかたがないと言ったふくれっ面で、おかみが三人分のコーヒーを盆にのせて持って出て、茶テーブルの上に並べる。
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エミ すみませんねえ、おかみさん。(おかみは黙々として、右手の売台の方へ行く。タンギイは立ったまま先程から三人の話をむさぼるように聞きいっている。表の飾窓の所には、着飾った若い夫婦が中の絵をしきりに[#「しきりに」は底本では「しきにり」]覗いている)
ベルト すると、トゥルーズ、あなた御自身はどうなの?
ロート もちろん、気がちがっている。こうして、曲った背中と、なえた足を持って貴族の家にオギャと生れた瞬間からね。(再び瓶から飲む)
ベルト あなたの言うことを聞いていると、たいがいの人が狂人みた
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