[ (ムカッとして)そうか。そんなら言う。模倣だって言うんじゃないぜ。影響だ。聞きちがえてもらいたくないよ。この、ここん所のエロウだとか、もちろん全体の構図も、特にバックの効果、そいから、この壺のカドミュームの輪郭など、君はどっから持って来たんだ? え? みんな僕の理論からの影響だ。そうじゃないか。
ヴィン ……(全く蒼白になり、卒倒する直前のような姿で石のように立っている)
ゴー 批難してるんじゃない。誰だって人の影響は受ける。現に僕だって、(肖像画を指して)向日葵の描き方は君の行き方で行ってる。だから、それはそれでいいんだ。ただ僕が言いたいのは、君は人からの影響に対してあまりにスナオ過ぎる。無抵抗すぎる。もう、そんな必要はないのに、つまりもう既に君は独自の芸術家になっているのに、あんまり正直に他からの――
ヴィン (ゴーガンの言葉を全く聞いていない)……(無言で眼を据えて、スーッと洗面台の方へ行き、その隅にのせてあったカミソリを掴んで戻って来て、刃を出すや、いきなり「向日葵」のカンバスをガスガス、ガスガスと切り裂く)
ゴー な、何をするんだ! こら――(ヴィンセントに飛びかかって、
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