フ全く持っていないものを持っている人間に対する驚異と感嘆のために、アブサンを飲むのをやめて、ほとんど厳粛な顔になってヴィンセントを見つめていたが)まったく、君と言う男は、おかしな男だ! どうも、うむ。聖なる魂か。
ヴィン 聖なる――? またからかうのかね?
ゴー からかっているように見えるかね? フフ、まったく君という男はおかしな人間だなあ。どうだい、明日僕に君の肖像を描かしてくれないか?
ヴィン 僕の? ああ、いいとも。そいでね、僕がここにこの家を借りて、君を呼んでこうしてさ、そして、もっと貧乏で世間から認められない画家たちをたくさん呼び集めて、仲よく共同生活をしながら製作して行こうと思ったのも、結局それなんだよ。俺はやっぱり人間を信ずる。逃げ出そうとは思わない。貧しい心とあたたかい胸を持った人々を捨てない。どんなに苦しくとも、俺はここで、やる!(ドサン、ドサンとテーブルを叩く)
ゴー おっと、そんな、なぐりつけるのは、よせ。酒がこぼれる。(コップを取って飲む。以下、話の間に、ついでは飲んで、二人の酔いは深くなる。ヴィンセントよりもゴーガンの方がずっと酒に強いだけでなく、酔い方も違う
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