E・ルウと言われても不平は言えないよ、ハハ。第一、僕はそんなセンチメンタルなのは、好きでないね。よしよし、仲直りの祝いに、ゆんべ俺の買って来たアブサンを開けよう。(言いながら、下手の自分の寝室に行き、ベッドの下からアブサンの大瓶を出す)
ヴィン (ハンカチで顔を拭き、機嫌よく笑いながら)まったく、俺はフウ・ルウだ。ラシェルがね――いや、ラシェルも、君が取りたいと思ったら取っていいよ。あれは良い娘だ。アルルの太陽の光の中からヒョイと生れて来たような女だ。もともと、僕があの女の所に通うようになったのが、君が来る前、僕はここにたった一人ぼっちで居て、とても孤独で寂しかったからなんだよ。寂しくってやりきれなかったためだ。(ゴーガンはその間にノシノシと歩いて上手の洗面台へ行き、コップを二つ持って来てテーブルの上に置き、瓶を開けてアブサンを注いでコップの一つをヴィンセントに持たせる)ありがとう。(グッと一気に飲む。ゴーガンも飲む)そりゃ俺も唯の人間だ。女が欲しい。女が居なければ俺は凍えてしまう。しかし、それにも、もう馴れた。そう言う意味では俺はもう諦めている。女には俺は縁がない。俺の恋人は俺の絵だ
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