オながらラシェルのことを言い出した。ラシェルと言うのは、はじめ俺と仲好くなり、ゴーガンが来てからはゴーガンと仲好くなった五フラン屋の女だ。――カーッとなってしまった俺は、眼の中から光が飛び散る。ゴーガンの歪んだ鼻! それを目がけてアブサンのコップをビュッと投げた! どこかで、チャリンと鳴って、白い炎が立ちあがる、白い炎が――
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   「製作へ」
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アルルの街道をヴィンセントが七つ道具をかついで写生を行っている絵。ただし、この場合は幻燈スライドではなく、この絵からヴィンセントの姿だけをのぞいて実景大に引き伸ばし、ホリゾントを使って眼もくらめるばかり明るくした装置である。風景の中に人影はない。
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ヴィンセントの声 (しばらく沈黙していてから、弱り果てた低い声で)テオよ、これがアルルの街道だ。夏の間は毎日のように俺はここを通って写生に出かけた。今は夏も過ぎ、秋も終って、そろそろ冬だ。近ごろではたいがいアトリエで仕事をするが、今日はしばらくぶりでここへ出かけてスケッチして来た
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