……しかし、なんですねえ、フシギなもんだ、そうやって、あの当時にくらべると、ほとんど二倍ぐらいの大きさになって、リッパになっていられるのに、声をかけられて一目見ると、すぐにあなただとわかった。人の顔も、これで、変らないもんですねえ。
木山 人見先生も、もとのとおりです。ただ、カミゲが、たいへん、白くなりました。カミゲだけ見ると、オジイサン。ですから、はじめ、うしろから見た時、気がつきませんでしたよ。ハハハ。
人見 やあ!(頭髪をなでる)ハハ、そうですか。
小笠原 ホホ、そうですわ。戦争がはげしくなってからこの教会の会員もチリヂリに疎開したりなんかで、あれからズーッと終戦の年の冬まで集りも休ましていただいていて、都合三年ですか、こんだお会いしたら、まるであなた、こうでしょう[#「こうでしょう」は底本では「こうでしよう」]? みんなもう、ビックリしましたのよ。……でも、御無理もありませんわ。ズーッとあなた、御心痛があまりひどかったんですから――
木山 ゴシンツウ?
人見 なに、私など、そんな――もともと、こんなタチなんですよ。
小笠原 いいえ、そりゃ――(眼に浮んだ涙を指でふいて、木山に)
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