そうなんですの。戦争がひどくなって来る頃からの、この、キリスト教に対する圧迫――といいますかイヤガラセ――とにかく、イジメぬかれたんですから、人見先生などの御苦労は、そりゃあなた――
木山 そうですか。……そうでしょう[#「そうでしょう」は底本では「そうでしよう」]。よくわかります。よくわかります。
小笠原 (まだ涙をふきながら、ニコヤカに笑って)それを思いますと、先生のオツムは、それを耐えしのんでいらしった印みたいなものですから、一面から申しますと、ミサカエの光を見せていただいているようなもので――ホホ!
人見 そんな事はありません。そんな――
小笠原 ですけど、とにかく、先生を中心に此処でみなさんで戻って来て――こうして又、クリスマスを祝うことが出来るんです。なんと感謝してよいかわかりませんわ。それに、思いがけない、木山さんから、こんなリッパなデコレーションや、ゴチソウまで、こんなにたくさん持って来ていただきまして、ホントにホントに、なんとお礼を申してよいか――(破れた窓の外の闇の中から、この室をのぞいている白い顔が見える)
木山 オー、なんでもありません。デコレーションは、友人たちからツゴウしてもらいました。食べものは、マザアとシスタが送ってくれたものです。クリスマス・イヴには、もうすこし持って来られます。あなたがたに、すこしでもお役に立てば、うれしいのです。……それに、これから世の中を平和にやってゆくには、クリスト教はダイジなものですから。さかんにならなければならないでしょうから。いえ、ボクは、まだクリスト教のことは、よくわかりません。信者ではありますが、ボンヤリした信者なので、なんにもわからないのですけど。……ですから、そのために、この――
小笠原 ホントに、私ども、平和が戻って来ました事を、なんと感謝して――
人見 ……(昂奮を自らおさえつけるように、デコレーションの銀紙で張った星をにぎったまま、クリスマス・ツリイのわきに膝をついて、口の中で祈る)……(それを見て小笠原も壇の所にしゃがんで祈りはじめる。木山は、その二人を見くらべて、チョットこまるが、祈りはしないで、カガトをそろえて立ち、すこし頭をさげかげんにしている。窓の外の顔は、まだのぞいている)……(口の中で低くいっている言葉が、すこし聞きとれるようになる)感謝いたします。……平和を私どもの上に導い
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