ひ憂慮に堪へず、警戒を嚴重にせり――この機械は一時間に千百枚を印刷し頗る迅速なるにより、新式機械を設備するとも職工を解雇せず――と職工を宥めて、この機械を使用することとせり」と、當時の空氣を誌してゐる。
しかしケーニツヒの「シリンダー式」はまだ「手※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]し」であつた。今日の日本でもごく田舍にゆけばわづかにみられる、人間が手で※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]してゐるあの機械であるが、それから十數年經つと、ニユーヨークの新聞テムペランス・レコードは、「蒸汽力」によつてそのシリンダー式を※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉させたのである。そして一八三八年には、ケーニツヒのシリンダー式以上に世界の印刷界を嵐のなかに捲きこんだ紐育のデヴイツド・ブルースの「ブルース式カスチング」の發明があり、同じニユーヨークでまた世界最初の輪轉機「ホー式※[#「廴+囘」、第4水準2−12−11]轉印刷機」が誕生した。それが一八四六年で、一八六〇年にニユーヨーク・トリビユーン紙が用ひた輪轉機は時速二萬枚を記録したのであつた。
嘗て十六世紀初頭にヴエニスで花咲
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