知ることができました。芝居の興行のほうから申上げますが、首府オスロ――旧名クリスチャニヤ――の国民劇場では、三月十四日から記念祭の当日までに、「ブランド」「青年結社」「幽霊」「社会の敵」「鴨」「ロスメルスホルム」などという代表作を順次上演する予定で、これらは大部分、すでに同劇場のレパートリーの中にあるものだそうです。なお、第二国民劇場においても、「オストラアトのインゲル夫人」「恋の喜劇」を舞台にのぼせ、またベルゲン市の国民劇場も、「ソルハウグの饗宴」「ペエル・ギュント」を上演する意向だということです。こうして、ノルウエにおける二つの演劇都市、すなわちオスロおよびベルゲン市の各劇場の出しものが少しも重複していないところを見ますと、あるいは相互に打合せをして、イプセンの戯曲をこの光輝ある機会に一つでも多く舞台の上に復活させる計画を立てたものではないかと想像されます。もちろん、今のべた三つの劇場のほかに、なお国内の四つの有力な劇場が、いずれもイプセン劇の模範興行を行うそうで、二十日当日には、首府オスロへ観劇に集るもののために、汽車の賃銀[#「賃銀」に「ママ」の注記]割引までが計画されていると
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