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『I will try.』
 そのときは、嬉しさでこおどりする気持で、エリック方へ取ってかえした。ちょうど五十六丁目の日蔭の街を歩いていると、向う側からさむざむとした恰好をした、木元のやって来るのに出遇わした。
『やあ、こないだはどうも。すこし酔っていたもんでね。』
『こっちも言葉が荒かったが――今日は、これみてくれよ、ニュー・レパブリック社からもらって来たのだが、』
 私は、さっそく八十五ドルの小切手を、彼の眼の前に閃めかしてみせた。
『うへえ――すばらしいもんだね、そりゃ銀行の小切手じゃないか……』
『このうち、君へ二十ドルだけ進呈するよ。それにこの俺の着ている外套な、これも君にあげるよ、こうさむくちゃ外出もできないだろう。』
『うへッ、何とまがいいんだろう。ともかく、僕の宿で一杯やろう。』
 二人の脚は、小もどりして、いつのまにか鶴亀まで歩いていた。行きずりに会った男といっても、多少なりと辰野の息のかかっていた木元であ
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