夜こそすれ一年中休むひまがない、生活ですからなアー」
と、なかなかこの森さん人情家である。
「その男ていうのがすぐついてしまうのですかなアー」
「いや彼女達は特別純情派ですよ。すぐ情にほだされちまうんですなアー。それにストリッパーというものは、寿命が短いですよ、五年がせいぜいですなあー。この時代にうんと稼ごうとあせっています、内でも引っこぬきなんかされないように高給を無理していますよ。彼女達大した金のつかい道がないのでなかなかの金持ちですよ」
「そこで男道楽が始まるというわけなの」
「いやその彼女達はいつも束縛があるし、なにか自分で思いきりいうことを聞く、自由にしたいものがほしいのですよ。そこで何んでも自由になる男がほしい気持ちで金をつかうのですなアー」
と、森さんはYシャツの新しいやつを三枚ばかり出して、しわをのばし始めた。
「何んです、そんなにYシャツを用意して、まるで永の旅に出るようじゃありませんか、案外お洒落ですな、あんたは」
「いやーこれにはわけがありましてな、彼女達今夜の宴会から夜明けまで、そりゃ大変なのですよ、酒がまわるにつれて勇ましくなりまして、いつも私達は裸にされ
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