裸にさらし|酒の神《バッカス》と踊りたわむるこの裸の祭典にまさるものが他にあろうか。宴は益々最高潮、舞台のつもりでつい浮かれでて、浴衣をぬぎ、美事にぬいだストリップ。アッ! 今日はバタフライをつけてなかったか、気がついたが後の祭り、ワアーとはやされ逃げ込むおかしさ。
「サアサアサア今度はかくし芸かくし芸」
「ナニいってるのさ、こう真っぱだかじゃかくすところなんかありゃしないわよー」
滝まさみさんの本調子かっぽれ、続いて星ひろ子さんの日本舞踊、せっかくうまいところを見せようとするのにワアーと群りくる酔女群スルリスルリと着衣をすべり取る。ゆで玉子のように裸にされて、舞台では平気な彼女達、今宵ばかりはキャッと前をおさえて逃げ込む姿もおかしく、マヤじゅん子さんの秘中の秘芸、サラリと浴衣がすべり落ちれば眼もあざむく曲線美、身体のあきちにビールびんかん徳利のアクセサリ、器用に飾っての一踊り、その美事さに思わず歓声、とたんに開け放された屋外の闇の中、ガランドシンの大音響。屋根に登って盗み見の旦那が下に落ちたらしい、いやとんだ罪つくりのストリップ宴会。森マネージャーが耳のそばで、
「ちと荒れぎみでさ
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