の、うちに三匹飼ってんだわ、とても可愛いわよ、だけれど社長さんは、蛇はグロテスクでお客がいやがるから、やっちゃあいけないというのよ、わたしとても悲しいわ」
「僕も蛇はあんまり好かなかったのだけれど南方にいた時、長さ十五尺もある錦蛇を飼っていたんだよ、鵞鳥をのみに来たのをみんなで生捕りにしたのだけれど、これが思ったよりおとなしくってね、マヤさんがいうようにこっちが可愛がると蛇はまるで犬のようになつくものだね」
「あらあんたも蛇好き、マアーうれしい」
彼女は御膳をひっくり返して抱きついてきた。
「今度私の蛇見せてあげるわね、こんあ事なら、ハンドバックに入れて来ればよかったなアー」
と彼女、蛇のことについてはモー夢中である。
「僕は熱帯地でとても熱いでしょう。だから大蛇といっしょにベットに寝ていたんだよ、大蛇め僕の手枕をして、いびきをかくのだもの驚いてしまった。だからうるさいッて頭を軽くたたくと、すみませんてな顔をして寝がえりをしたよ」
「アハハハハ、ほんとね、蛇っていびきをかくわねー、アハハハハ」
マヤさんの笑い声にまじってにぎやかな手拍子がわき起ったので眼を転じると、これはおどろい
前へ
次へ
全15ページ中11ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
小野 佐世男 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング