なない。しかしもう自分は呼ぶことは廃《よ》そう。こん度呼んで見たら、答えるかも知れないが、もう廃そう。
 闇《やみ》が次第に低い処から高い処へ昇って行って、山々の巓は最後の光を見せて、とうとう闇に包まれてしまった。村の家にちらほら燈火が附き始めた。
[#地から1字上げ](明治四十三年一月)



底本:「普請中 青年 森鴎外全集2」ちくま文庫、筑摩書房
   1995(平成7)年7月24日第1刷発行
底本の親本:「筑摩全集類聚版森鴎外全集」筑摩書房
   1971(昭和46)年4月〜9月刊
入力:鈴木修一
校正:mayu
2001年7月31日公開
2006年4月28日修正
青空文庫作成ファイル:
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