とは憚《はばか》りますのですから。わたくしはただいまから頼んでおいて Rue Romaine 十八番地に落ち着きますことにいたしましょう。
わたくしはこんなに手短に乾燥無味に書きます。これは少し気分が悪いからでございます。電信をお発し下すったなら、明後日午後二時から六時までの間にお待受けいたすことが出来ましょう。もうこれで何もかも申上げましたから、手紙はおしまいにいたしましょう。わたくしはきっと電信が参る事と信じています。どうぞこの会合をお避けなさらないで、わたくしに失望をおさせなさらないように、くれぐれもお願申します。わたくしはあなたにお目に掛かって、それをたよりにこれからさきの生活を続けようと存じています。それからどうぞ今はいけないから後にしろなんぞとおっしゃらないで下さいまし。御承諾下さるつもりで、前もってお礼を申上げます。もうこれでも大ぶ貴重なお時間をお潰させ申しましたでしょうね。
[#地から3字上げ]マドレエヌ
わたくしにお逢いになりましても、そう大して更《ふ》けたようには御覧なさいませんでしょうと存じますの。年の割に顔も姿も変らないと、皆がそう申しますの。これで体は大切
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