DAT FLEESCH
グスタアフ・ヰイド Gustav Wied
森林太郎訳

−−
【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)午食《ごしょく》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)其|詞《ことば》は、

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)大きく※[#「目+爭」、第3水準1−88−85]《みひら》いて、

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)いろ/\な誘惑がありますからね
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−

 ブレドガアデで午食《ごしょく》をして来た帰道である。牧師をしてゐる兄と己《おれ》とである。兄はユウトランドで富饒《ふぜう》なヱイレあたりに就職したいので、其運動に市中へ出て来た。ところが大臣が機嫌好く話を聞いてくれたので、兄はひどく喜んでゐる。牧師でなくては喜ばれぬ程喜んでゐる。兄は絶えず手をこすつて、同じ事を繰り返して言ふ。牧師でなくては繰り返されぬ程繰り返して言ふ。「ねえ、ヨハンネス。これから
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