つい》で御召抱《おめしかゝへ》上※[#「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1−91−26]《じやうらふ》、中※[#「藹」の「言」に代えて「月」、第3水準1−91−26]等の人選があつたが、その際この薫子にも改めて御稽古の為参殿の事を申付けられた。橋本|実麗《さねあきら》卿記|是年《このとし》八月九日の条に、「又若江修理大夫妹年来|学問有志《がくもんにこゝろざしあり》、於今天晴《いまにおいてあつぱれ》宏才之|聞《きこえ》有之候間、女御《にようご》為御稽古参上|可然哉否《しかるべきやいなや》、於左大将殿|可宜御沙汰《よろしかるべきごさた》に付|被談由《だんぜられしよし》、於予|可然《しかるべく》存候間|其旨申答了《そのむねまうしこたへをはんぬ》」と見えて居るが、一条家の書類御入用御用記を見ると、九月三日の条に、「伏見宮御使則賢出会之処、過日御相談被進候若江修理大夫女お文《ふみ》女御様御|素読《そどく》御頼に被召候而も御差支無之旨御返答也」とあつて、その十日には、「女御御方、此御方御同居中御本御講釈之儀、お文殿に御依頼被成度候事」と見えて、十五日には御稽古の為|局口《つぼねぐち》御玄関より
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