易、勿論厳刑に可被処《しよせらるべく》候へ共、右様天下衆人之|能存候《よくぞんじそろ》罪状有之者を誅戮《ちゆうりく》仕候事、実に報国赤心之者に御座候間、非常之御処置を以《もつて》手を下し候者も死一等を被減候様仕度《げんぜられそろやうつかまつりたく》、如斯《かくのごとく》申上候へば、先般天誅之儀に付|彼此《かれこれ》申上候と齟齬《そご》仕、御不審|可被為在《あらせらるべく》候へ共、方今之時勢|彼之者共《かのものども》厳科に被行候《おこなはれさふら》へ者《ば》、忽《たちまち》人心離叛|仕《つかまつり》、他の変を激生|仕事《つかまつること》鏡に掛て見る如くと奉存候。且又手を下候者に無之同志之由を申自訴仕候者《まうしじそつかまつりそろもの》多分御座候由伝聞仕候。右自訴之人共|何《いづ》れも純粋正義之名ある者之由承候。是等の者は別而《べつして》寛典を以《もつて》御赦免|被為在可然御儀《あらせられてしかるべきおんぎ》と奉存候。実に正義之人|者《は》国之元気に御座候間、一人に而《て》も戮《りく》せられ候へば、自ら元気を※[#「爿+戈」、第4水準2−12−83]《そこなひ》候。自ら元気を※[#「爿+戈
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